- ブラック病院ってどんな病院?
- ブラック病院の特徴って何?
- ブラック病院を見分ける方法を知りたい
今回はこのような悩みを解決します。
世の中には看護師を搾取するブラック病院が存在します。間違ってブラック病院に入職してしまうと心も体も疲弊してしまいあなたの人生を狂わせることになります。
この記事を読めばブラック病院を見分けることができ、良い病院医療機関へ就職・転職することができます。
当記事を作成しましたのは、現役看護師のかぽぽ(@mmmmm_040404)です。
プロフィールにも書かれているように、私は、ブラック病院での勤務経験があります。ブラック病院に勤務して失ったものは数多く、あなたがそうならないために当記事を作成しました。
結論から言うと、ブラック病院は労働者よりも病院の利益を最優先するような病院です。
ブラック病院に入職しないように、ブラック病院の特徴・見分け方を学んでいきましょう。
ブラック病院とはどんな病院?
ブラック病院は正式に定義されていません。
厚生労働省が発表しているブラック企業の特徴に当てはめて、ブラック病院について3つにまとめました。
- 労働者に対して膨大な業務・長時間労働をさせる
- 法律、病院の規則などのルールを守る意識が低い
- 労働者を選別して自主退職に追い込む
労働者に対して膨大な業務・長時間労働をさせる
労働者に対して膨大な業務・長時間労働をさせる病院はブラック病院です。
看護師の業務は多岐に渡り、本当に忙しい毎日だと思います。急性期病院では毎日サービス残業が当たり前と言う職場もあります。
看護師の場合、極端なノルマである事は気づきにくいです。その理由として、『業務をこなせないのは自分の力不足である』と労働者達が洗脳されている可能性があるからです。
普段から自分がどれだけ残業をしているのかを管理してください。あまりにも多い残業は心身共に負担になってくるので注意しましょう。
あまりにも多い業務量を押しつけてくる病院は危険です。
法律、病院の規則などのルールを守る意識が低い
法律・病院の規則などのルールを守る意識が低い病院はブラック病院です。
労働者は労働基準法で守られています。
労働基準法の中には労働に関する様々な事項が定められています。
- 1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはならない。
- 休暇については、毎週1日の休日または4週間のうち4日以上の休日
- 病院は従業員に時間外労働や休日出勤をさせる場合、割増賃金を支払う必要がある
- 労働者は年次有給休暇の取得の権利がある
サービス残業をさせる、有給の取得を阻止するなどは立派な法律違反になります。
サービス残業が常態化しており困っている方はまずは各種窓口に相談して、最終手段として起訴となります。
- 病院の相談窓口へ相談
- 労働基準監督署への相談
- 弁護士に相談し労働審判や起訴する
2020年6月より、職場におけるハラスメント防止対策が強化が行われました。これにより、雇う側も労働者側もパワハラを行わないように努力しなければいけないと言うことを法律上明確にされました。
- 他の職員に対して暴力・暴言・その人を否定するような発言
- 個人的な情報を第三者に勝手に話して、プライバシーの侵害をする
- 嫌がらせのために仕事を与えない
- 仲間はずれにする
- 過度な要求
もし、パワハラで悩んでいるのであれば、まず病院の相談窓口に相談しましょう。
相談をしても改善されない場合は、労働基準署に相談します。
パワハラやサービス残業が横行しているなど、労働のルールを守らない職場は危険です。
労働者を選別して自主退職に追い込む
労働者を選別して自主退職に追い込む病院もブラック病院です。
退職に追いやるために
- パワハラを繰り返す
- 本人の意思を無視した異動
- 異動に伴う減給
などの行為が見られた場合は労働基準法に違反していると考えます。
もし、あなたがそのような状況にあるのならすぐに労働基準署に相談しに行きましょう。
病院の都合で労働者にパワハラ・いじめをして意図的に退職させようとしている職場は危険です。
【実体験】ブラック病院の特徴3つ
私が実際に体験したことをもとにブラック病院の特徴3つは下記です。
- 病院の利益を最優先
- 労働者を守らない
- 現場を無視し、業務改善しない
もし、あなたが今勤めている病院に当てはまるのであれば、改めてその職場で働くべきなのか考えてみてください。
病院の利益を最優先にする
ブラック病院は何よりも病院の利益を優先します。
私が勤務していたブラック病院は病院の負担となるものをとにかく嫌がっていました。
余計な経費をかけないためにこれから紹介する3つのことが横行していました。
- 時短勤務のパートに有給を与えない
- タイムカードがない
- 残業代をださない
時短勤務パートに有給を与えない
『年次有給休暇について』
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
労働基準法第39条より引用
有給を取得する権利は、パートタイマーや派遣社員でも認められているので、時短パートタイマーの有給がないのは違法になります。
自分がもっている有給の日数を把握しておきましょう。
タイムカードがない
結論からいえば、タイムカードがない事自体は法律違反とはならないです。
しかし、労働基準法は企業に対し、労働者の労働時間を適切に管理するよう求めています。
タイムカードがない=労働時間を適切に管理するつもりがないと言っても過言ではないです
残業代を出さない
私が実際に勤務したブラック病院は、タイムカードがないため残業をした事実が残らず、残業代が出ませでした。
上記でも述べたように、労働者の労働時間を適切に管理できてないので、こういったことが起こります。
管理監督者(労働基準法第41条)
労働基準法第41条では、次の労働者には労働基準法で定める労働時間、休憩、休日の規定が適用されない、つまり残業代の支払い義務などがないとしています(深夜、年次有給休暇に関する適用はあります)
* 農業又は水産業等の事業に従事する者
* 管理監督者、機密の事務を取り扱う者
* 監視又は断続的労働に従事する者
* 宿日直勤務者
上記で説明した以外は、残業代をもらう権利があるので残業代が出ないのは法律違反になります。
入職を考えている医療機関がタイムカードをしっかり管理しているかチェックしましょう。
労働者を守らない
針刺しなどの抗体検査 自己負担
針刺は、労災災害の一つになります。
推計で年間5万件の針刺しが医療機関で発生しています。また、針刺しに関する調査ではその半数は看護師であったと報告されています
職業感染制御研究所 「針刺し予防策」より出典
雇用主は労働者の安全に対する配慮を行う義務があります。
本来なら病院側が費用を負担し、労働者の安全を確認するのが正しいです。しかし、ブラック病院である勤務していた病院はそういった費用は全く負担せず労働者への配慮は全くなかったです。
労働者である私たち看護師を守ってくれる医療機関で安心して働きたいですね。
現場を無視し、業務改善をしない
私が勤務していたブラック病院は現場の事など眼中になく、職員が苦情を入れても全く改善されませんでした。
- パワハラ・いじめが横行
- 業務態度の悪い看護師がやりたい放題
- 看護師全体の意識の低下
病院からの指導をされない現場は下記3つのような状態となっていました。
パワハラ・いじめが横行している
- 聞こえるように悪口を言う
- 人格を否定するような事を面白おかしく言う
- プライベートな情報を他の職員にバラす
- 高圧的な態度を部下にとって何も言えないようにする
これらはあなたの病棟でもよくある光景かもしれません。しかし、全てパワハラ・いじめに該当します。
私が勤務していたブラック病院では、病院からの研修など教育を受ける事がないので、良い職場環境づくりと言う意識そのものがなかったです。
業務態度の悪い看護師がやりたい放題
ブラック病院にいた業務態度の悪い看護師の行動を紹介します。
- 勤務中抜け出して、隠れて病棟のベランダでタバコを吸う
- 自分の仕事を他の人にやらせる
- 夜勤中の吸引・口腔ケアなどは一切しない
- 気に入らない人の悪口を大声で言う
これらの事実を上司に報告をしてもスルーされずっとやりたい放題でした。
組織としての規律を守るためにはそう言った職員の指導を行うのが病院の役割ですが、そう言った現場の声は届いていませんでした。
業務態度の悪い人が1人でもいると、病棟全体の士気が下がるので本当に迷惑な存在でした。
看護師全体の意識の低下
勤務していたブラック病院は、看護師を育成するという概念がなかったです。
教育体制も整っておらず看護師としての専門職への意識低下から、患者中心ではなく看護師中心の日々になっていました。
例えば、
- 拘束を安易に使用
- 患者への暴言・暴力
- 感染予防対策の欠如
患者の尊厳を無視した行為が数多く行われていました。
病院選びには教育体制が整っているかも大切にしてください。
ブラック人材にも気をつけろ!
注意するべきなのは病院だけではなく、病院の内部にいるブラック人材もです。
ブラック人材とは
ブラック人材とは、職場の輪を乱し職員の意識低下を招くような行為をする人のことです。
あなたに悪影響を耐えてくる人もブラック人材です。
そのように言われても、なかなかピンとこないかもしれません。そんな人のために、ブラック人材の特徴を紹介していきます。
注意するべきブラック人材の特徴3選
ブラック人材と聞いただけではよく分かりませんよね。ブラック人材の特徴は大きく3つです。
- 業務をサボる
- ハラスメント・いじめをする
- 文句や悪口ばかりを言い周囲の意識を下げる
上記の特徴どれもが、周囲に非常に悪影響を与えます。こんな人とは働けないと退職者が出る場合もあります。
業務をサボる
業務をサボって他の人の負担を増やす人はブラック人材です。
看護師の世界は人手不足で非常に忙しいです。それなのに、業務をサボり他の人の負担を増やすことは職場の士気を低下させます。
頑張って仕事をしている人からしたら、サボって同じ給料を貰うというのは、おかしな話です。
業務をサボり周囲の負担を増やす人には要注意です。
業務をサボるために仕事を押し付けてくるパターンもあるので、あなたがそのターゲットにならないようにしましょう。
ハラスメント・いじめをする
ハラスメントやいじめをしてくる人もブラック人材です。
日本医療労働組合連合会「2017年看護職員の労働実態調査結果」によると20代看護師の7割が上司からパワハラを受けた事があるという結果になっています。この結果から、看護師業界にはパワハラが横行しており、ブラック人材がたくさんいるのが分かります。
パワハラやいじめはあなたが原因ではありません。無理に我慢せず、上司または職場の相談窓口に相談しましょう。
文句や悪口ばかりを言って周囲の意識を下げる
文句や悪口ばかりを言って周囲の意識を下げる人もブラック人材です。
悪口は言われた人を傷つけるだけではなく、聞く側も良い気持ちにはなりません。悪口は職場の雰囲気をどんどん悪くしていきます。
悪口には参加しないでおきましょう。中立的な立場を保ち、仕事に集中する事をおすすめします。
【絶対に知っておきたい】ブラック病院の見分け方
ブラック病院は入職前に見分けることができます。
ブラック病院に共通する求人情報や転職エージェントの行動があるのでご紹介します。
- 常に求人が出ている
- 転職エージェントにすごく勧められる
- 年間休日数が少ない
- パートタイマーが多い
- 経験者のみの求人
- 求人情報と実際の条件が違う
これから紹介する見分け方を知って、ブラック病院への入職を防ぎましょう。
常に求人が出ている
一年中求人を出している医療機関は要注意です。
離職率が高い=常に募集
離職率が高い理由としては
- 待遇の悪さ
- 雰囲気の悪さ
- お局の存在
など、様々です。
転職や就職を考えている人は,定期的にサイトを見て、求人の変化を捉えましょう。
転職サイトの担当者から凄く勧められる
紹介会社は、紹介料として病院から報酬をもらっています
人手不足の医療機関は、『紹介会社への報酬をUPさせより多くの人を紹介してもらおう』と考えます。あ
報酬の高い医療機関へ紹介したいと転職エージェントも思っているため、転職者へ強く勧めます。
このような流れがあり、結果的に医療機関が職員確保の方にコストをかけすぎてしまって、実際に働いている人の給料は低いくなる現象がうまれます。
年間休日が少ない
ブラック病院は、人気がなく求人を出しても人が集まらない、離職率が高いなどで常に人手不足です。そのため年間休日が少なくなります。
人手がいない=休めない
少ない人数をとにかく働かせようというのがブラック病院の考えになります。
私が勤務していたブラック病院は、正社員の年間休日が100日以下でした。
正社員の人は疲弊し、賃金も安いため、どんどん辞めていきました。
求人情報の年間休日をしっかりチェックしましょう。
パートタイマーが多い
- 待遇が悪く正社員が集まらない
- 人件費を抑えるため
パートタイマーは正社員に比べて待遇面で劣っている場合が多いです。パートタイマーは病院側としては正社員に比べてコストのかからない人材となります。
正社員が意図的に少ないのは、その分パートタイマーを多く雇って人件費の削減をしているんだよ。
パートタイマーが多いため正社員の負担が大きくなり、さらに正社員の離職が進み、パートタイマーへの負担も増えるなどの悪循環になっていました。
経験者のみの求人
経験者のみの求人になる理由は2つあります。
- 新人を教育する環境が整ってない
- 人手不足でとても忙しい
経験者のみの場合は、人手不足が深刻でありとにかく即戦力が欲しいという現れです。
経験者のみの場合でもホワイトな病院は存在します。
他の求人条件と照らし合わせてブラック病院かどうかを見極めていきましょう。
求人情報と大きく違いがある
嘘の良い条件を求人サイトに載せて、とりあえず人を呼び込もうとするブラック病院もあります。
求人情報と相違がないかは、実際に見学・面接・入職してみないとわかりません。
求人には良い条件を出しておいて、入職してから『話が違う!!』となると手遅れになるので面接時の確認は怠らないようにしましょう
良い医療機関を選ぶ為のポイント3つ
良い医療機関を選ぶ為のポイントは3つです。
- 徹底的に情報収集
- 病院見学で現場を見る
- 面接で条件の違いがないか確認する
徹底的に情報収集をする
まずは求人サイトをみましょう。
気になった求人がブラック病院の特徴に当てはまる項目がないか確認してみてください。
- 医療機関の公式ホームページ
- 大手転職サイトの求人情報
- 病院自体の口コミ
- ナスコミ
- 転職エージェントに登録して求人を紹介してもらう
私のお勧めは、転職サイトに登録して求人を紹介してもらうことです。
病院見学で現場を見る
面接を受けに行く前に、病院見学に行きましょう。
必ず行かなくてはいけないわけではないですが
- 内部の構造
- 職場の雰囲気
- 看護部長など上層部の雰囲気
などを感じられるのでお勧めです
面接で条件を違いがないか確認する
面接時にも求人の条件や自身が提示した条件に相違がないか確認しましょう。
相違がある場合は、出ていた求人情報と照らし合わせて条件のすり合わせを行います。
もし、急に求人条件とは別の条件を提示された場合は、その場では決めずにもち帰って返事をする形にすると良いです。
妥協して条件をのんでしまうと後悔することとなるので、じっくりと考えて転職先を見つけましょう。
良い医療機関を紹介してくれる転職サイト3選(準備中…)
入職した病院がブラック病院だった場合の対処法
今現在、ブラック病院で働いている人や転職したらブラック病院だったと言う人に3つの対処法を紹介します。
- 処遇改善を求める
- 労働基準局に相談
- 転職する
処遇改善を求めるのはなかなかハードルが高いです。コツコツと証拠集めをして労働基準局に相談するのが確実でしょう。
さらに詳しい内容は『ブラック病院への対策・辞め方』で解説する予定です(準備中)。
【まとめ】一目でわかるブラック病院
病院を選ぶ時に、これらの特徴がどれくらい当てはまるかよく情報収集をしましょう。
転職は焦らずじっくり、自分の納得のいく医療機関を探してください。
転職エージェントは頼りになるので、何社か登録すると良いです。