- 療養型の病院に転職をかんがえているけど実際はどんな感じなんだろう?
- 療養型病院の仕事内容ややりがいを知りたい
今回はこんな悩みを解決します。
病院には様々な種類があります。その中の1つが療養型病院です。自分に合った職場を見つけるためには病院の種類や役割・看護師がどのように働いているのかを把握しなければいけません。
当記事を読めば、療養型病院について、療養型病院のリアルな情報が手に入ります。
私は、療養型病院で2年半勤務した経験があります。その経験から現場のリアルな様子・メリット・デメリットを紹介します。
こんにちは、かぽぽです。私のプロフィールはこちらです。
結論から言うと、療養型病院の業務は看護よりも介護が強く、メリットは家庭と仕事のバランスが取りやすいことです。やりがいとしてはゆったり働きたい人にはおすすめの職場です。
子どもがいたり家庭を優先したい方には療養型病院は非常におすすめです。
療養型病院は定時に帰れる場合が多いので子供のお迎えの心配がいりません。
療養型病院とは
主な病床が療養病床である病院の呼び名です
病床の種類として以下があります。
- 精神科病床
- 感染症病床
- 結核病床
- 療養病床
- 一般病床
1.精神科病床、2.感染症病床、3.結核病床は特定の病気にかかった時に入院する病床になります。ほとんどの場合は、4.療養病床・5.一般病床に入院となります。
一般病床と療養病床の違い
2つの病床の違いは慢性期か急性期かになります。
一般病床 | 急性期 | 状態は不安定であり、急激に悪化する可能性があり、全身管理を必要とする時期。 |
療養病床 | 慢性期 | 状態は比較的安定しているが、治癒が困難で長期的に医療・看護が必要な状態。 |
一般病床は表の説明でもあるように、患者の状態が不安定なためイレギュラーな事態が頻繁に起こり得ます。
それに比べて療養病床は比較的、患者の状態は落ち着いているため一般病床よりかは落ち着いています。
療養病床は長期に療養している高齢者が多いため見取りに立ち会う場面が多いです。
Q:療養型病院なら患者さんとゆっくり関わる時間をつくれるの?
A:ゆっくり関われないことの方が多い
急性期病院に比べたら、患者さんと関わる時間がとれるかもしれませが、なかなか難しい場合が多いです。
難しい理由として、療養型病院はコメディカルが少ない傾向にあり、看護師の負担が大きいためです。結局、雑務のような仕事が多く患者さとの時間が短くなっています。
『思っていたのと違う』とならないように、病院見学や情報収集をしっかりしましょう。
療養型病院の看護師の働き方
療養型病院の人員配置
病床の配置基準は以下の通りです。
一般病床 | 療養病床 | |
医師の配置 | 16:1 | 48:1 |
看護師の配置 | 3:1 | 4:1 |
薬剤師の配置 | 70:1 | 150:1 |
看護補助の配置 | — | 4:1 |
表をみてもらえば分かるように、医師は1人あたり48人診ることになるため手厚い診療とは言い難いです。
療養病床に入院している患者は病状の変化も緩徐であることが多いので、大きく変化が見られて人のみ、その日に医師に診てもらうと言うかたちが多いです。
療養型病院の業務内容
ここでは、私が実際に働いていた病院の業務体制と業務内容を紹介します。
看護体制は、機能別でした。
- リーダー (患者を受け持つ)
- 注射係 (すべての患者の点滴等の管理)
- 入院 (その日の入院患者を担当する)
- 入浴 (清拭・お風呂を担当する)
- 整容 (その他の整容を行う)
- 介護 (掃除・雑用を行う)
このように、業務が分かれており、日替わりで担当しています。医師は日替わり制でした。
医療行為はもちろんありますが、介護の要素が強いです。
療養型病院の5つのメリット
私が実際に療養型病院で働いた経験から療養型病院には5つのメリットがあることがわかりました。
看護師は働ける場所が沢山あります。それぞれの病院のメリット・デメリットを理解して、あなたにあった職場を見つけましょう。
休みがとりやすい
療養型病院は休みをとりやすいです。
業務も落ち着いている事がほとんどです。希望休みがとりやすいのはもちろんのこと、子どもが急に熱を出して休まなければいけない時も休みやすい場合が多いです。
時間ピッタリに帰れる
療養型病院は定時で帰れる日が多いです。
患者さんの状態も落ち着いている事が多く、緊急の業務がほとんどないので定時で帰れます。
定時で帰れるので、仕事後の予定も立てやすく、生活リズムも整います。
育児との両立がしやすい
療養型病院は育児との両立がしやすいです。
前項でも説明した2点
- 休みがとりやすい
- 定時で帰れる
これらは、子育てしている看護師にとって非常に大切です。これらが揃っていると療養型病院は子育てとの非常に向いています。
働く時間を柔軟にきめられる
療養型病院は柔軟に働く時間を決められます。
扶養内の時短勤務はもちろんの事、保険に加入でも、勤務時間を短くしたり、週4日働くなどあなたにあった働き方ができます。
あなたが希望する働き方ができるか、面接時にしっかり確認と交渉をしましょう。
緊急な入院がほとんどない
療養型病院は緊急入院がほとんどありません。
ほとんどの場合が予定入院です。急性期病院のように緊急入院が重なり業務が増えていくことはほとんどありません。
緊急入院がない分、予定通り業務を進められます。
療養型病院のメリットがプライベートの時間を大切にできるところだとわかったと思います。
次に、療養型病院のデメリットを紹介していきます。
療養型病院のデメリット8つ
療養型病院はプライベートな時間を大切にできるのが最大のメリットですが、デメリットも存在します。
私が感じていたデメリットの8つです。
急性期病院と療養型病院の雰囲気は全く違います。雰囲気の違いについていけず辞めてしまう人も多いです。
転職したけどすぐに辞めてしまったとならないような、デメリットもよく理解しておきましょ。
医師の人数が少ない
病床の配置基準で医師は患者48人に対して1人と定められています。
医師は1人で多くの患者を見なければいけないため、患者さん1人に深く関わる事ができません。
設備が整っていない
療養型病院は設備が整っていない場合があります。
物品が古いかったり、本来ディスポータブルのものを、コストを抑えるために使い回しにしていたりと独自の考えで行なっている場合もあります。
急性期病院のような設備の整っている病院から転職していた人は、設備の整っていない状態に耐えかねて退職してしまうケースは多いです。
無駄話をする人が多い
療養型病院はゆっくりできる時間があるので、無駄話をする人は多いです。
黙々と仕事したい人には非常に苦痛になります。
私は仕事中に無駄話をする人たちがとても苦手で耐えきれませんでした。
無駄話をするかは、その職場と職員次第ですが、周りを気にせざる仕事できるようになるのが一番ですね。
研修や勉強会がない
研修や勉強会がないとよっていざと言うときに適切に対応できなくなり、インシデントの原因になります。
研修や勉強会がないのは一見メリットとのように思いますがそうではありません、医学は日々進歩していきます。勉強して知識を入れ続けなければ、次に転職した時や患者の急変時に非常に困ることになります。
勉強会や研修がない病院でも、自己学習していけたらいいですね。
機能別看護だと責任が偏る
私が勤務していた病院は機能別看護だったため、業務の責任が非常に偏っていました。
そういった責任の偏りを気にしないために、入職前にどのような看護体制をとっているか確認しましょう。
紙カルテで業務の効率が悪い
紙カルテはムダな作業が多く非常に効率が悪かったです。
療養型病院は未だに紙カルテを採用している場合があります。電子カルテと違って紙カルテは非常に効率が悪く、手間が掛かります。
電子カルテか紙カルテかは入職前に必ずチェックしてましょう。
療養型病院で働いていた時は、患者さんと接する時間よりも紙カルテに記入する時間の方が長かったです。
看護師の業務よりも紙カルテに関する雑務が多く非常に不満でした。
バリバリ働きたい人には物足りない
療養型病院は急性期病院のようにバリバリ働きたい人には物足りないです。
療養型病院の患者さんの状態は慢性化していたり、ターミナル期のため、急性期のように積極的な治療ではない場合が多いです。
毎日、ほとんど変わらないルーティン業務をするので、物足りない・つまらない・やりがいを見つけられないと辞めていく人も多いです。
民間病院は病院独自のルールがある
民間病院は病院独自のルールがある場合があります。
私が働いていた療養型病院は、
- 同じディスポーザブルのビニールエプロンを1日中つけていろ
- マスクを二重にしろ
など、一般の病院ではありえない指示がありました。こう言った根拠に基づかない病院独自のルールについていけず、辞めていく人も多かったです。
療養型病院のやりがいを感じる時
療養型病院のやりがいは人それぞれですが、今回は2つ紹介します。
- 小さな変化に気づいて悪化を予防できた時
- 患者さんと長期的に関わり回復に導けた時
療養型病院は長期的に関わる事が多く、長い付き合いだからこそ気づけることがあります。ほれらに気付けた時にやりがいを感じる人は多いです。
小さな変化に気づいて悪化を予防できた時
ごくわずかな変化でも気づいて悪化を予防する看護をできた時にやりがいを感じる人は多いです。
長期的に入院して関わっているからこそ、気づける変化が合った時に療養型病院で働くやりがいを感じる人は多いです。
急性期病院など、短期間だけしか関わらない環境とはまた違ったやりがいだと思います。
患者さんと長期的に関わり回復に導けた時
患者さんと長期的に関わった結果回復に導けた時にやりがいを感じる人もいます。
長期的に関わるのは療養型病院だからこそですね。日々の緩やかな変化でも長い時間をかけたら回復に導けるというのも療養型病院のやりがいです。
プライベート重視なら療養型病院で働くのがおすすめ
療養型病院の下記のような人におすすめです。
- ゆったり仕事をしたい人
- 子育てとの両立したい人
- プライベートを大切にしたい人
急性期病院は多忙で、日々の疲労のせいで休みを楽しめなかったらプライベートを犠牲にしまいがちですが、療養型病院はプライベートを大切にできます。
ゆったりと仕事がしたい人
療養型病院は忙しすぎずゆったりと仕事したい人におすすめです。
急性期病院はイレギュラーな出来事ばかり起こりますが、療養型病院はルーティン業務のみの場合が多く計画的に業務を進められます。
子育てとの両立したい人
子育てと両立したい人は療養型病院がおすすめです。
療養型病院のメリットは
- 休みやすい
- 定時で帰れる
です。子育てしていると送り迎えや習い方など仕事が終わってから子供の用事が控えている事も多く、定時で帰れる事が絶対条件だと思います。
子育てと両立したいと方は療養型病院はとてもおすすめです。
プライベートを大切にしたい人
プライベートを大切にしたい人も療養型病院に勤務するのがおすすめです。
療養型病院は、希望休みや有給をとりやすいため趣味などプライベートな時間を確保することができます。
日々の業務もそれほど忙しくないため、休みの日の趣味などに体力を使えるというのも療養型病院のメリットです。
現在、仕事に圧迫されプライベートな時間を確保できておらず悩んでいる人は療養型病院への転職もぜひ考えてみてください。
ただ、療養型病院だからと言って転職してはダメです。私は適当に選んでブラック病院に入職してしまいました。
ブラック病院での勤務経験からブラック病院の特徴を紹介しています
良い療養型病院に転職するためにはポイントを押さえなければいけません。
次に療養型病院への転職のポイントを紹介しますので、参考にしてください。
療養型病院に転職する時6つのポイント
良い療養型病院に転職したい人のために、良い療養型病院を選ぶためのポイントを紹介します
- 設備が整っている
- 勉強会・研修がある
- 看護体制を確認する
- 電子カルテの病院を選ぶ
- 患者の支援体制が整っている
- 病院独自の変わったルールがない
私が療養型病院に入職して失敗したことを含めて、ポイントをまとめているので必ず役立ちます。
ポイントを教えないとブラック病院に入職する可能性があるので十分注意しましょう。
設備が整っている
設備が整っている病院を選びましょう。
病院見学に行った際に、病棟で使っている物品や病棟の様子をよく見ましょう。
あまりにもボロボロで汚れが目立つような病院は、現場を無視した経営をしている可能性があり、ブラック病院の可能性が高いので注意が必要です。